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11月23日の日比谷での「藤本敏夫氏没20年記念・とことんオーガニック」シンポジウム。
こんなに嬉しく楽しいシンポジウムはそうそうない。

有機農業界レジェンドと農林副大臣たちの「これまでの50年とこれからの50年」トーク後、
「新しい農業スタイルを語る」セッション2。
リレートークの6人目最後、
そして脱成長を謳ったベストセラー『人新世の資本論』著者の斎藤幸平さんの基調講演を
次に控えるというタイミングで、
俺の出番が来た。

ファシリのYaeちゃんと
「駅から会場に雨に濡れずにこれるって便利とは言え、
   ここ、何か違和感。土がないからだね、タネ撒くテロ、しちゃおうか!」
なんて雑談(これはトークでだったか、本番前だったか忘れた)。

ダウンシフトといえば、、、とYaeちゃんからご紹介を受けて彼女に視線を合わせたら、
その向こうの客席に斎藤幸平さんが座っているのが見えたので咄嗟に

「脱成長を謳った斎藤幸平さんの本は50万部も売れて、
  その10年前に脱成長を書いた私の本は3万部しか売れず、
   印税で食えないので田んぼで四つん這いで泥だらけな始末。
    この恨み辛みと切なさを斎藤さんにぶつけに今日は来ました、
     ジェラシーです」

と話したら会場が笑いに包まれた。

次の斎藤さんの講演冒頭、
「髙坂さんの本をパクったような本で売れまして、、、」の機敏な返しに、
会場はさらに大きな笑いが起こり、
さらにジェラシーでした(笑)。

ま、本当に俺の本を読んでくれているかはさておき、
そんな冗談を即興で返してくれる斎藤さん、さらにリスペクト。
おかげで夜の交流会ではお酒を片手に二人でいろんなことを雑談できた。
彼と俺に脱成長の異を唱えてくる共通の人がいて、
その愚痴をこぼしあったり(@@)

さて、Yaeちゃんとの短い7分のトークセッションの中で、
2枚のプレゼンが許されていたので、
写真にあるようなスライドを用意してお話しし、
世のすべての人が半農半Xしたら世界の過大な課題はほぼすべて解決できるとか、
その半農半Xが農水省のド真ん中の政策になってきた真実性や、
事実として日本中に増えていることを話し、
脱成長で今後向かってゆく地域社会の暮らしや仕事のあり方とか、
小さなビジネス論とか、
労働時間短縮とか、
いろんなものを自らの実践体験をもとに雑談的に話した。

世界中日本中の地域で「食・エネルギー・福祉」の自給を高めて
グローバル経済と滲ませてゆくことや
そのキーワードの「小規模・自立・分散」を示し、
さらには脱成長どころか経済縮小しても人口減少のスピードより緩やかな下降線ならば、
むしろ一人当たりの幸福度も、役割や仕事も増えることを話し、
その上で都市でも半農半Xができる時代を作れることをさらっと触れた。

トークセッション1の有機農家レジェンド下山さんが話してもくれたように、
日本中で50万ヘクタール近くが遊休農地で
それを人口で割ったら国民一人当たり3アールあり、
実際に髙坂は3アールで150kgの米が採れてそれは
家族を充分に食べさせられる量であることや、
農家さんが手放す機械作業効率悪い谷津田や里山の畑は
自給思考の方や都市との往還者が使い、
広大なアクセス良い田んぼはプロ農家が担い、
ちょうど良い棲み分けの塩梅になることや、
時代は時間を掛けながら確実に変わってきているが、
そのスピードが温暖化抑止に間に合うか?それでも諦めずに進むんだとか、
Yaeちゃんとの即興のやり取りでいろんなお話ができた。

お陰で、休憩時間や夜の交流時間で、
私からこそリスペクトすべき多くの実践者から声を掛けてもらい、
共感をいただき、恐縮だった。

ほんとにありがたい登壇の機会を頂戴し、

感謝に満たされている(^^)

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