
1度で指が凍える昨日朝、一年醗酵させた醤油を絞り始める。
毎年俺1人で仕込むが、去年はオーガニックの晴子ファームさん界隈の方々への醤油作りレクチャーとして古民家農泊Reで仕込んだ。よって、炒って砕いた小麦と麹菌と煮込んだ自家製大豆を女性7〜8人の素手でまぶし合わせ、レクチャーを終了。俺はそこから45時間、混ぜ物の品温保持でそれに寄り添い、夜も横に寝て3時間毎に温度計る。発酵熱で40度を超えると納豆菌が繁殖してしまうからだ。
俺が素手で混ぜ合わせる毎年で32度を超えることはなかった。ところが女性たちが素手でワイワイと混ぜたそれは驚く勢いであっという間に40度超え、なかなか下げられず、、、納豆香の強い諸味になってしまった。命を産む役割をまとった女性の手に住む常在菌の威力を実体感した去年の仕込み。
1年経た今朝、それ絞り始めたわけだが、納豆香は消え、例年以上に旨い醤油だ! 女性が育むツワモノ微生物の凄さに納得の朝。

写真右、槽(ふね)は Organic Bar に幾度も来てくれた名蔵・弓削田醤油の弓削田さんに作ってもらった既に15年近い友。木製圧縮機は年代物で一昨年に120年以上の歴史で閉じた匝瑳の本屋多田屋の90代名士・能勢さんからご好意で頂いた。かつて印刷活版に使っていたもの。見た瞬間、醤油絞りに活かせるとよぎる! こんな重くてデカいの何に使うの?と能勢さんは笑っていた。多田屋さんは驚くことに明治期の歴史に刻まれる『アララギ』の発刊場所。もしやこの圧縮機が使われてたかも。
左の槽は見様見真似で自作したミニサイズ。