SOSA PROJECT で今年から請け負っている
近所の豊和小学校の5年生への米作り授業。
移住者で半農半ピアニストであり、
息子のヤマトがこの学校に通っている近藤さんが、
田植えから始まる全てを担ってくれていたが、
いよいよ脱穀に至って、
足踏み脱穀機や手回し唐箕を
子ども達に体験させてあげるにあたり、
俺も授業に出向いた。
足で踏み込みながら稲穂を入れて脱穀するんだけど、摩擦で踏み込みが重くなる。手と足と両方の力の入れ具合、穂をクルクルまさしながら脱穀する作法など、やってみてわかることがたくさんあって、子どもたちは夢中になってゆく。
夏休み子ども教室に通ってくれた子もいるので
再会も互いに楽しい。
子どもたち全員が夢中になって
休み時間にも作業を続けようとするほど。
だんだんコツがわかってきて
子どもたち同士で工夫や効率化が生まれる。
最初は一人ずつやってみた。
けど、
きっかけさえ授ければ
子どもたちが自ら学んで行くんだよね(^^)
籾を袋に収める時に箕を使うんだけど、
現代のプラスチックの箕と、
伝統的に使われてきた藤と竹で作られている箕と、
両方使って比べさせる。
足元の右のオレンジと緑の箕はプラスチック。左にある箕が自然素材で伝統品の箕。
すると、
自然素材のほうが断然と機能的で使いやすいことに
子どもたちも気付く。
そのプラスチックの箕を工場で石油流して作る仕事が楽しいか、今では荒れ果てた里山の竹などから調達して
手作業で作って使う人が喜ぶ仕事が楽しいか、
そういったことまで話してあげる。
石油を使えば温暖化が進むね、
竹を使っても地球を悪くしないし
むしろこの地域が綺麗になるね、
そんなことを話しながら子どもたちと作業する。
そして、
その箕作りは匝瑳市が伝統工芸として誇るものなんだよ、
90歳すぎの4人のお婆ちゃんたちが箕を作れる最後になって
絶えかかっていた技術なのに、
この数年では全国から教えてもらいたい若者が
たくさん来るようになっているんだよ、
とも教えてあげる。
先生は知らなかったようで、
「先週に教科書で伝統工芸の大切さを勉強したね」
と付け加えた。
足元の地元にそれがあるのに、
教科書の中の写真でしか伝えていない様子だった、
先生も忙しいから仕方ないね。
幾度となく子どもたちに、
就職は東京だけでなく、
誇れる仕事はこの匝瑳にもあるんだよ、
この箕を作る職人さんになるのも悪くないでしょ、
俺たちみたいにお米作って自分で食べることも悪くないでしょ、未来を壊す仕事でなく、
地元で未来をよくする仕事を将来しようよ、
なんて、
ことあるごとに3時間の授業の中で体動かしながら話した(^^)
子どもたちの記憶に、
そうした選択肢が残ってくれたらいい。
とにかく、子どもたちが楽しそうで楽しそうで、
こういうことを求めているんだよな〜、子どもは。
そして大人だって!(^^)
午後、近藤さんと我が家に戻り、
オンボロの俺の籾摺機で玄米にして、
さらに頂いた精米機で白米にして、
午後3時半には近藤さんが子たち達にお米を届けに行った。
籾摺機に籾をいれる近藤さん。
きっとその晩、
自分手作りのお米を、
家族と自慢げに食べたことだろう。
そしてお日様をたくさん浴びたお米の美味しさに
家族で驚いたことと思う。
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