昨日、読んだ
『土にいのちの花咲かそ』
http://www.sunmark.co.jp/frame_isbn/978-4-7631-9781-8.html
加藤登紀子さんの本。
様々な社会問題に対して、
大地に根ざした表現で
詩的に描いています。
たくさんたくさん共感を感じる素敵な本!
その中から一節を転記させて頂きます。
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『 さかさまの世界 』
この世界を「先進国」と「発展途上国」に分けたのは、
第二次世界大戦後のアメリカ大統領。
新しい国が「先進国」で、古い国が「途上国」とは
一体、どういうことなのだろう。
古い過去は新しい過去より長生きだ。
新しい文明がどんどん絶えても、
古い文明は生きつづける。
「途上国」が発展を目指すのでなく、
後から歴史を始めた「先進国」が、
昔の国から学ぶべきときが来ている。
アフリカを「暗黒の大陸」と呼ぶのは一体誰?
アフリカは太陽の国。
人類がはじめて誕生した出発の地、
この地球上で最も豊かだった、いのちの王国。
「ヨーロッパの人は、きっと貧しかったのだ」
あるアフリカの男が言った。
「アフリカ人は、お腹が空いた時にだけ森に行く。
木の実はいつでも実っていたし、
魚も動物も、必要なだけあればよい。
ライオンと同じ。
あとは踊ったり、歌ったり、
楽しい時間がいっぱいあった。
けれど、寒いヨーロッパから来た人たちは、
とっても空腹を恐れていた。
手に入るすべてのものを奪い、
手に入る限りのものを独占し、
他の誰にも渡さない。
ヨーロッパの人たちは、本当に貧しかったのだ」
貧しいはずのアフリカ人が、
お金持ちのヨーロッパ人を貧乏と呼ぶ正しさ。
踊って歌って楽しんでいたキリギリス。
働きづめに働いて、
手に入る限りのえさを、穴の中に運び込んだアリ。
冬が来て寒さに気付いたキリギリスに、
たった一粒の木の実も、葉っぱも残さなかった。
穴の中にため込んだおいしいご馳走を、
たったひとつぶも、
キリギリスにわけてあげなかった。
そんなアリこそが立派な模範と教えて来たのは誰?
わらの家を造ったのは、怠け者のお兄さん。
木の家を造ったのは、努力の足りない二番目のお兄さん。
レンガの家を造ったのは、働き者の末っ子。
末っ子だけを偉い、と教えてきたのは誰?
「こぶとりじいさん」、
大きいつづらを欲しがったじいさんより、
小さいつづらでよい、と言ったじいさんを、
偉いと教えて来た国に生れたことを誇りにしたい。
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他にも、
『神様からの頂きもの』、
という詩では、
アイヌの方々やネイティブインディアンのこと、
貨幣経済に飲み込まれる自然、
私達の生きる基盤や様々ないのちを表現。
『お金に換える淋しさ』
という詩では、
農家さんの手間や愛情に対して
それに准じない貨幣経済の弊害を、
お百姓さんに代わって代弁しています。
加藤登紀子さんの想いには、
たくさんの「シェア」の気持ちが
散りばめられていたのでした。
今日は、
おときさんの本から頂いた感動を、
皆さんに少しだけお裾分け(^^)
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