鎌仲ひとみ監督の新作
『 ミツバチの羽音と地球の回転 』
を試写会で見させてもらいました。
原子力発電を更に作ろうとしている日本。
一方、
原子力発電を減らしてゆくだけでなく、
2020年には石油も使わない社会を実現しようとしているスウェーデン。
どちらを選ぶ方が賢いのか?
変える事を拒んでいるのは、どんな大きな力なのか?
未来を創ってゆくのは
ひとりひとりの判断と行動。
言い訳しない生き方。
映画の中で、どうしても許せない場面がありました。
瀬戸内海の祝島の対岸に上関に
原子力発電所が建設されようとしていて、
生物多様性のホットスポットを埋め立てようとしています。
抗議する島民に向かって中国電力の責任者が
以下のようなを説明したのです。
一次産業で食べて行けないでしょう。
原子力発電所ができれば、雇用ができます。
ふざけるにも程があります。
全くの勉強不足、想像力不足、思いやりの無い言葉。
親切のつもりで言っているのか?
こんな言葉が通用すると思っているのか?
上関原発建設反対に集まった署名を島民が霞ヶ関に届けたときにも、
役人の対応も酷いものです。
大きな組織に従属してしまうということは、
こんな対応しかできない ( もしくは、しざるを得ない ) 人間に
成り下がることなのでしょうか。
さて、田中優さんのメルマガが届きました。
優さんが
『 ミツバチの羽音と地球の回転 』
を見た感想を書かれています。
こちらに転載します(^^)
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「 ミツバチの羽音と地球の回転 」
このタイトルの言葉には、聞き覚えがあった。なんだったかな…。
それをやっと思い出した。「量子力学」の話で読んだことがあるのだ。
高木仁三郎さんだったかもしれない。こんな話だった。
「元素を調べようと思ったとする。するとまず元素を見なければ始
まらないのだが、それを見るためには光を当てなければ見れない。元
素に光子をぶつけると、大きく軌道がずれる。すると見たものは元の
形ではない。そこにあるものを見るためには、そのものに影響を及ぼ
さなければ困難なのだ。すると純粋に客観的に観察する、ということ
が困難であることがわかる。逆にいうと、世界にあるどんな小さなこ
とでも、それはたった一個の元素に対する光子でも、影響を及ぼして
いるのだ。たとえばどこかでミツバチの羽音がしたとしよう。すると
その羽音は、地球の回転にさえ影響を及ぼしているかもしれないのだ」
。
タイトルがこの言葉から取られたかどうかは知らないが、
この意味なら理解できる。
瀬戸内の小さな島、祝島に、若い山戸孝くんが戻ってきて生活を始
める。海でひじきを採り、山でビワを育て、インターネットで外界に
販売を広げ、家では料理・育児もしながら懸命に働く。しかしその島
は、中国電力が建設しようとする上関原発予定地の3.5キロ離れた
真正面、家を出て見れば対岸に見える場所なのだ。彼らは小さな島の
中で懸命に働き、暮らしを楽しむ。
しかし中国電力は埋め立て工事を開始することにし、県も町も島民
の意向を無視して許可を与え、工事のためのブイを海に置こうとする。
しかしここは瀬戸内に残された最後の楽園だ。コンクリートで固めら
れていない浜が残り、海には海草が育ち、絶滅を危惧されるさまざま
な生物たちの残される最後の海だ。埋め立てられては海が死ぬ。原発
が建てられたら放射能を含んだ風が届く。ドイツの放射線保護庁が
『白血病発病の確率が倍以上になった』と報告した範囲は、原発から
5キロ圏内だ。
祝島の多くの人たちは、船を繰り出しテントを張り、そのブイの設
置を中止させようとする。しかし中国電力の担当者は船の上からこう
説得するのだ。
「みなさん、いまさらこんな一次産業を続けていて、未来があります
か? 食べられるようにしていくには産業の活性化が必要です。原子
力発電は地域の雇用を増やします」と。
これまで原発を受け入れた自治体で、その後に人口が増えて地域が
活性化した地域はひとつもない。なぜ地域経済の活性化などと言える
のだろう。あり得るとしたら、カネを受け取って故郷を忘れ、関係な
い地域で生き延びることだけだ。気になるのは「一次産業で食べられ
るわけがない」という考え方だ。いったい彼らは何を食べて暮らして
いるのだろうか? 食べられるものはすべて一次産業が作っている。
なのになぜ彼らは「一次産業では食べられない」というのだろうか。
一方、世界では自然エネルギーの開発が進む。スウェーデンでは自
然エネルギーの導入が進んで、人々は徐々に環境を痛めることのない
自然エネルギーにシフトしていきつつある。そこでの会話。
「どうして風力発電だけで生活できるんですか?」
「簡単さ、自然エネルギーの電気を供給する電力会社から電気を買え
ばいい」
「日本では買えない」
「ウソだろ? なんでだ? たった一つの電力会社からしか買えない
わけじゃないだろ?」
「独占会社からしか買えません」
「そんなバカな、変えなきゃダメだ…」と。
スウェーデンの人々は、地域にある資源を利用して自然エネルギー
を進めていく。地域経済を復活させ、地域の自然を役立てたことを誇
りながら。
「こんな簡単に?」と驚くほど、彼らは地域で邪魔ものにされてい
た森の木材を利用し、糞尿をガスにし、風を電気に変え、地域に誇り
を持ちながら暮らしている。
どちらの地域が羽音なのかは知らない。しかし地域で誇りを持って
暮らすことは、いずれ他の地域にも影響を及ぼすだろう。量子力学の
言う、「地球の回転」に「ミツバチの羽音」は影響していくだろう。
「小さな試みだ、無視すればいい」というのは簡単だ。「そんなこと
をして何になる」と評論することもできるだろう。しかしそれでも
「何かを起こす人」が次の世界を作っていく。評論して揚げ足を取る
ことはどんな人間にもできるだろう。しかし大切なのは何かを作る人
なのだ。
小さな羽音が共鳴し、共振し、次の地球の回転を起こす。この映画
はその小さな羽音の記録だ。未来の私たちが、どちら側に感謝するだ
ろうか。小さなミツバチのする、小さな、しかし勇気ある暮らしを見
てほしい。
『鎌仲監督はこの映画で、地球の回転のギアチェンジする時代の羽
音を切り取って提示した』
将来、この映画がそう言われるようになるといい。
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「ミツバチの羽音と地球の回転」公式ホームページ
http://888earth.net/
● お披露目上映会日程 ●
「持続可能な未来を求めて-映画上映と講演」
●2010年5月28日(金・満月)
【会場】聖心女子大学 〒150-8938 東京都渋谷区広尾4-3-1
【プログラム】
開場14:00 上映15:00 トーク17:00 終了19:00
上映後、トークセッション:鎌仲監督、祝島よりゲスト
司会:加藤久人(NPO法人懐かしい未来)
【主催】グループ現代/「ミツバチの羽音と地球の回転」制作プロジェクト
【協力】永田佳之研究室 NPO法人懐かしい未来
「持続可能な未来を求めて-映画上映とミニトーク」
●2010年6月4日(金) 【会場】四谷区民ホール(定員400名)
●2010年6月5日(土) 【会場】四谷区民ホール(定員400名)
〒160-8581新宿区内藤町87番地 TEL:03-3351-2118
【プログラム】
開場18:00 上映19:00 トーク21:00 終了21:30 (6/4、6/5ともに)
上映後、鎌仲監督ミニトーク
【主催】グループ現代/「ミツバチの羽音と地球の回転」制作プロジェクト
【資料代】
前売:1300円 当日1500円(大人、学生、シニア、障がい者)
中学生以下500円(前売、当日共通。前売チケットは1300円でご購入いただき、
当日会場で差額分を払い戻します。)
席を必要としない子どもは無料です。託児有(要予約)。祝島物産、
祝島写真展、書籍販売、DVD販売など。
※駐車スペースがございませんので、お車でのご来場はご遠慮下さい。
【お問い合わせ先】
グループ現代/「ミツバチの羽音と地球の回転」制作プロジェクト
Tel: 03-3341-2863
* 詳細は随時公式サイトよりお知らせいたします http://888earth.net/
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ぜひぜひ、見に行ってください。
上映会を開いてください。
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