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2/16(木)は
当店タマツキは19時〜 OPEN です。
申し訳ありません。

(通常18時 OPEN から1時間遅れてスイマセン)
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土日月は匝瑳で過ごし、
のんびり、
午前、お昼ご飯を挟んで昼寝して、午後、
土と戯れていた。

その合間に珍しく、私としては頻繁に、
ブログやFBを書いていた。

土曜日は移住2年目の越智家に寄り、
鶏の解体の途中を覗いて、
命にお礼をしながら砂肝とササミを生醤油で頂いた。

その後、私たちの田んぼ周辺の里山の様子を見に行った。

農道が広くなっている。
(写真の右部分、
  道の1/3くらいが藪と垂れ落ちてくる枝に覆われていた)

先月から、
月に一度の里山活動で、
山斜面と農道の間にある
コンクリートU字溝の泥をさらう作業を始めていた。

その山斜面が藪になっている。
田んぼを始めて9年、
ずっと綺麗にしたいと思っていたが、
どう手をつけていいか戸惑っていた。

先週の土曜日、
私はいなかったのだが、
移住者や田んぼ2年目以降の有志が、
続きの作業をした。
U字溝の泥をさらった後、
まずは道にはみ出している藪だけ、
垂直に刈った。
次に、
密集した藪の面をよく観察すると密集度合いが薄いところがある。

獣道であり、風の通り道だ。
そこを藪を腰より下くらいのところで刈って、
少し奥側まで刈り、
風の通りをよくする。
何箇所か、そういう作業をしてあった。

斜面の下の方とU字溝の接点あたりを観察してゆくと、
窪んでいる土の部分が所々見つけられる。
水や空気がそこから出たがっているから窪んでいるわけだ。
そこを深い穴にして、
垂直面を作ってあげて水脈と気脈の出口にしてあげる。
穴には底に炭を入れ(菌が住みつきやすい)、
枝葉を絡ませて一体になるようなイメージで差し込む。
枝葉の菌や炭に棲みつく菌に
土中の菌や木々の根が空気を求めて、
その穴に伸びてくる。
コンクリートU字溝で固められて、
長い間、出口を失ってしまったいた土中の水分が、
その気脈や菌脈とともに水脈となり、
水と空気の出入口となる。

雨水や山の表面を流れ降りる水も、
この穴から土中に染み込んで、
水の循環が始まる。

山に溜まった水たちがコンクリートで出口を失い、
土の中で循環が止まって腐敗気味になるから、
健全な里山の木々が呼吸しづらくなり、
藪化してゆくのだ。

藪のむこうには、
わりかし健全な木々が覗いている場所もあった。

土中の水は、
大地の表面を流れている水より、
実は、はるかに多い。

土壌の中の水の量は、
河川水の量の50倍。
地下水に至っては、
河川水の5000倍。

土壌の中の水と地上の水は本来、
出たり入ったり循環しているのだが、
日本中の河川や水路をコンクリートで固めてしまった。

コンクリートで地中の水と地上を流れる水は遮断されて、
出入りができなく、循環が止まってしまう。

本来、循環が起こっていれば、
汚れた水も大地の中を循環する過程て綺麗になり、
地上に戻り、川を下り、海へ出る。
それができないから、汚れた水が浄化されないまま
川を海を流れゆく。

雨が降って大地に染み込んだ水は、
コンクリートで出口を失い、
閉じ込められてしまいがちで、
循環のスピードが落ちる。

コンクリートで出口のない水が
地中で淀み、腐り、不健全な土になる。
だから、日本中で、
山と人里の境目が藪や竹だらけになってしまっている面が強い。
水が出てこれなければ、、
大地が吸収できない分、表面を流れて鉄砲水になる。
出口がない分、吸収の限界が来れば、
大雨の折に土砂崩れになる。
ひところ土砂災害が続いて話題になった、
深層崩壊もそうだ。

上に書いたことは、
知るようになったのはこの半年ちょっとだ。
去年出会った、
高田宏臣さんから教わった。

🌟 以前書いた、高田宏臣さんに関するブログ
http://ameblo.jp/smile-moonset/entry-12235206688.html

🌟 高田さんのブログ
http://www.zoukinoniwa.biz/blog/

まだ高田さんには数回の教えしか頂戴していないので、
今ブログで書いたことで間違っている部分もあるかもしれないが、
それを恐れず書いている。

シンクロは起こるもので、
山梨にも同じことを広げている
「杜の園芸」の矢野さんという素晴らしい方がいるし、
三宅洋平くんのツイッターをたまたま昨日覗いたら、
彼の元にも同じようなことを進言する人が数日前に訪ねてきたらしい。

かつての日本人は、
そうした土木を誰でも心得たいたようだ。
高田さんが若いころ造園の仕事を学んでいる時、
今の80歳以上の造園家は
そうした作業を体で覚えて作業していて、
教えてくれたと。

面白い写真と説明文を
高田さんのお知り合いから拝借して紹介したい。

縦穴通気改善による根の動き。


2年程前に縦に深い穴を掘り竹筒とその周りに枝葉を入れ
  空気の流れを作りました


竹筒があった方には深く根を張り逆の方は根が伸びが少ないです。
竹筒があった方と逆は明らかに根の伸び方が違います。
樹木は空気を求めて根を伸ばすのが証明されます。

国土強靭化なるコンクリートキャンペーンで
インフラ維持や補強ならまだしも、
無駄な建設や開発に血税が使われている現状。
(高さ14メートルもある防潮堤など)

荒れてゆく里山を健全に戻してゆくにあたり、
自伐型林業をはじめ各地で沢山の希望も見え始めているが、
素人のマンパワーでは無理なのではないか、と
正直、ずっと途方に暮れていた。

しかし、高田さんと出会い、
人の力でも里山という大きな場所を再生出来る可能性を知り、
とても希望が湧いたのである。

里山だけでない。
派生して様々な問題を解決して行ける具体案が見えてくるのだ。

国家予算で公共事業に6兆円。
そんなに税金を投入しなくても、
日本各地の山や川や海を再生させて行けるのだ。

身近なところでも、
家の湿気が気になる、
虫やハエや蚊が多い、
そんな悩みも、
実は建物の構造だけでなく、
土や周辺環境が原因なことが大きい。


上の絵は、高田さんから頂いたプリントから拝借している。
興味ある方は、
この絵をよく見れば、もしかしたら理解できると思う。

土が呼吸できなくなり、
湿気が滞留し、
虫が繁殖しやすくなってしまう。
家も腐りやすいし、朽ちやすい。

さて、匝瑳の我が家も改善を少しずつ始めている。
昨日今日と、
下の写真のスコップとダブルスコップを相棒にして、

溝を掘り、穴を掘り、
そこに枝葉を絡ませて入れる。

穴は、建物から離れるほど、深くする。
すると穴の側面を出入り口にして、
土中の水脈も建物から外への流れとなってゆく。
土中でも、穴の低い方へと水が下ってゆくからだ。
これが家の湿気を取り除いてゆくことになる。

元気のない木々の周りや畑の周りにも、
溝を掘り、空気と水の出入り口を作ってあげると、
土が呼吸して、
根も呼吸しやすくなって、
木々や作物も元気になって、
健康を取り戻してゆく。


土と戯れて作業していると、
いろんなことの発見がある。

人工的な平らな場所にモグラが出てきて
盛り土になってしまうことが多い。
困ったもんだ、と今までは思っていた。


(手作りの風車で土に振動を伝え、
  モグラが嫌うようにしているのだが、、、)

しかしこれは自然界が土に呼吸させようとして、
山と谷(高低差)を作ろうとする作業なのかもしれない。

モグラは自然の意志に基づいて役割を果たしているのかも!

登山などが好きな人はわかるだろうが、
谷筋から水蒸気が上がって雲になる光景を
目にしたことがあるだろう。
大地は急な斜面と谷があってこそ、
水と空気の呼吸をして大地として安定する。

そんなことを、
高田さんに出会ってからどんどん学び、
気づくようになった。
自然への観察眼が膨らんでくる喜びがある。
昔の人は当然のごとく持っていて、
文明の利器を得るとともに私たちが失ってしまったものだ。

そんな哲学をしながら、
水脈をありそうな場所、
苦しそうな場所を探す。
見には見えない場所を想像し、さぐり当て、
溝を掘り、穴を掘り、枝葉を刈り、集め、
絡ませて穴と溝に入れてゆく作業。

高田さんの教えを、また思い出した。
「晴耕雨読」

晴耕雨読の本当の意味は、
晴れている時に穴を掘ったり溝を掘るなど、
耕す行為をし、
雨が降ったら、雨水がどう流れ、どう土中に染み込むか、
観察する。
そして、また改善へとエラー&トライするのだ。

それが晴耕雨読の本当の意味と!
なるほど〜、と納得した。

先々週、奈良の講演に向かう時、
京都からの電車沿線の山の斜面が、
ほぼ藪と竹だらけだった。
他の植物がはえることができないほど、
斜面を覆う。

京都と奈良の間だけではない、
日本中だ。

皆さんもこれからはよく見て欲しい。
斜面の下方がコンクリートで固められている場所ほど、
竹が密集していたり、人を遠ざけるような藪になっている。
人も動物も通れないほどの密度である。

それを全部刈ろうとするには、
骨が折れるし、目処が立たないし、途方にくれる。
しかし、方法があるのだ。
それはこのブログの最初の方で書いた。
そして少しずつトライしたら、
しばらく観察して、また改善を図ってゆく。
そうやって人間も自然と会話しながら、
観察眼と知恵をつけてゆくのだ。

日曜日、
穴を掘って休んでいた時、
電話がなった。

匝瑳に移住希望していたTさんからだった。
気になっていた。
そろそろ電話がかかってくるだろうと。

空き家を借りることが、
大家さんと成立した、との電話だった。

素晴らしい家だ。
里山活動でお世話になっているSさんが
空き家の家主さんとつないでくださった。
1反の畑、母屋の他に二階建ての離れもある。
庭も広く日当たりがいいし、井戸水である。

石場建ての古民家。
今の建築基準法では認められていないが、
昔の家も、神社仏閣も、伊勢神宮も、
みんな石や土に挿した木の上に乗せていた。

先ほども登場した絵だが、
右上の絵をご覧いただきたい。
石場建ての方が、安全な上に、
大地や水脈を痛めつけない構法なのだ。

古民家の敷地を無意識に観察していた。
土のくぼみ、水の流れ、
植木の周辺に巡らされている溝や段差、
雨落ちの場所、井戸の場所など。。。
わずかずつであるが知らないことに気づいてゆく楽しさ。

Tファミリー(ご夫婦とチビちゃん二人)の移住で、
匝瑳に子どもの元気な声が増える。
そしてナリワイが一つ増える。
めでたい。

家に戻り、昼寝して、
15時を過ぎた頃、
また穴と溝を掘り始めるのであった(^^)

田んぼには、
すでにカエル(オタマジャクシ)の卵が宿っていた。

命育む春はもう近い。

明日には東京に戻って、
夜はタマツキである。

2/16(木)は
当店タマツキは19時〜 OPEN です。
申し訳ありません。

(通常18時 OPEN から1時間遅れてスイマセン)

 

 

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–【 髙坂 勝  出演情報 】–

 

■ 2/17(金) 13時30分〜  at ふれあい蓮沼(蓮沼駅 or 池上駅)

お申込:03-3736-8200(夜間)山中菊江
参加費:300円

 

■ 2/19(日) 13時30分〜 脱成長MTG at 江戸川橋

高坂 勝『次の時代を先に生きる』を読んで――脱成長の豊かさとは

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■ 3/4(土) 14時〜15時30分 

「次の時代に先駆けて、減速して自由に生きる」

埼玉県男女共同参画推進センター(With You さいたま)セミナー室

参加費無料 150名(先着順)保育あり

http://www.pref.saitama.lg.jp/withyou/event/list/0304.html

 

■ 5/27(土)13:30~15:30 海外異世代交流会 in 六本木
 でトークします。
https://www.facebook.com/events/1852751558324767/
(フェイスブックをしていない方で参加したい方は、
  髙坂oh.moonsetアットマークnifty.comまでメールください)
主催:若林育真さん
会費:2000円  

 

■ 地球のしごと大學教養学部 募集スタート

http://chikyunoshigoto.com/archives/category/kyouyou/

12/2(土)

「ライフスタイル 縮小均衡時代のダウンシフト」と題して講義

 

■ 2018/1/8 タマツキ主催・寺田本家酒蔵ツアー

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【シリーズ雇われない生き方1】農業人口激減の中、

前年比10%増の売り上げを課される農業機器営業マンの苦悩

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