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以下文章は、松江にお住まいの方から届いたものです。
この文章を掲載する経緯はコチラ↓をご覧下さい。
http://ameblo.jp/smile-moonset/entry-12101574325.html

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書き主(松江在住)の方にお繋ぎいたします。

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無業者の就労支援について(案)

昨今ではワークライフバランス(以下、WLB)など注目を集め、国の政策でも取り入れられていますが、WLBの実行性も一部の人だけで、地方の中小企業で働かれている方々にはあまり感じられていない方も多いのではないでしょうか。しかしながらWLBの認知度の高まりや、それを求める人は日増しに高まってきている気がします。このWLBの定義は「会社や上司から期待されている仕事あるいは自分自身が納得できる仕事ができ、尚且つ仕事以外でやりたいことや取り組まなくてはならないことにも取り組めること」が働くすべての人に継続して実現されている状態であります。すべての人の多様なライフスタイルが大切にされ、生きがいとやりがいの持てる一人一人の生命が輝く暮らしが保障されている職場となっていかなければなりません。多様性を認め、一人一人の生き方やその人らしさを尊重した安心して働ける就労環境の整備は今後も必要であります。
またWLBが実現できている程度と仕事への取組み意欲の関係を調べた「少子化と男女共同参画に関する意識調査」では、男女や未既婚、子育てや介護など特殊な事情を問わず、そうしたWLBの実現度が高いほど、仕事への意欲が高くなることが分かっております。これはこれまでのようなワークワーク型の働き方ではなく、WLBの実現が労働生産性や創造性にプラスとなり、経済ありきではなく、WLBの実現の中から、地域及び日本経済にそのプラス効果が波及していくものと考えます。

さてそうした中で、このような政策に該当しない、そもそも働くことへの意欲を失った方や孤立した無業者の方が数多く存在し、本来国の屋台骨を支えるべく世代で数多く存在しているという現状は、本人はじめ社会にとっても大きな損失です。孤立無業を取り上げられた玄田教授のデータでは、孤立無業者は全国で、2011年に162万人にのぼり、この10年で2倍に増えているという状況です。決して無視できない数字であり、はた目にはそう見えない、働くことや、生きる意欲や存在意義を失い、絶望感を持たれている孤立無業という方に対して社会支援の及ばない方がいるという実態・事実を誠実に真摯に受け止め、且つ急速に高齢化の進む日本において、その対策等急務であると考えております。

はじめに内閣府で公表する「平成26年中における自殺の状況」です。減少傾向にはありますが、島根県では(163人・死亡率22.91)全国で7番目に高い状況です。その多くが無業者で健康や経済・生活問題を抱えており、50歳代(28人)の方が一番多く、無職者(93人)のうち孤立無業者(推定41人)、年金・雇用保険等受給者(45人)、主婦(7人)で、自殺者の多くが無業状態であり、無業になっても家族以外で孤立しない対策が急務であります。
また病気が原因となる自殺理由が多く、中高年で何らかの病気によって離職した場合、回復したとしても、年齢や身体上の不安や制約により不採用となる確率も高くなり、それを悲観したものが多いのではないかと考えられます。
幸い死に至らずとも、長期間無業の状態が継続することで、預貯金もなくなり、年金受給時にはすでに年金だけでは生活できず老後破産となる方が増していく事も予想されております。

このように無業になることで、自殺へのリスクの高まりや、社会から疎外され孤立化してしまうという状況を考えても、無業者への就労支援の重要性は高いと考えます。

またあえて無業を選択する場合の理由のひとつとして、非正規労働の問題があると考えます。
平成元年(1989年)に817万人で全体の約2割だった非正規労働者は2014年に1962万人まで増加し、全体の37%と4割近くに迫っています。これは労働者の3人に1人が非正規労働者という状況です。「中年フリーターの残酷な現実」(東洋経済)での、連合総研「非正規労働者の働き方・意識に関する実態調査」によると、非正規が主たる稼ぎ手となっている世帯のうち「貯蓄なし」が28.2%、「100万円未満」の世帯も26.6%に上り、また社会保険の加入率が低いのも特徴です。
厚生労働省「就業形態の多様化に関する総合実態調査報告」によると、雇用保険の加入率は65.2%(正社員99.5%)、健康保険52.8%(同99.5%)、厚生年金51.0%(同99.5%)と正社員を大きく下回る状況です。
病気などで働けなくなり、社会保険などのセーフティーネットからもこぼれ落ちると、最後に頼れるセーフティネットは生活保護に頼らざるを得なくなりますが、生活保護受給者は7月時点で216万人と過去最多を更新し、それに匹敵する中年フリーター273万人が生活保護予備軍として存在している状況とのことです。また厚生労働省「就業形態の多様化に関する総合実態調査」では、非正規を活用する理由について「賃金の節約のため」と回答した企業が4割超で、企業が非正規を活用してコスト削減した分が、働く人の尊厳をも踏みにじるだけでなく、将来的に行政の負担として跳ね返ってくるようにも映ります。
そのような状況は、島根県でも例外ではなく、島根県労働局での雇用統計(H26.3~H27.3)の松江市有効求人倍率1.16(前年1.39)のうち正社員の有効求人倍率は0.61(前年0.79)という状況です。
これまで、若者サポート等での就労支援も行われてきたと思われますが、その世代が中年期を迎えてもなお、安定した就労状況ではないようです。
そしてこの記事で紹介された方は決して派遣を望んでいたわけではなかったようです。竹中平蔵氏(株式会社パソナグループ取締役 会長)は、非正規社員で働く人が増えているのは、多くの方が派遣で働きたいと思っている証拠であると言われますが、私は派遣で働いている多くの方は、先の記事の方と同じくそう思ってはいないと思います。正社員になりたいが、収入を得るために派遣で働いたり、社会的な背景の事情で働いているだけで、決して派遣ありきで考えてはいないと思います。
このような中、厚生労働省「正社員転換・待遇改善実現本部」では、非正規雇用労働者の正社員転換等を加速させていくことが盛り込まれたり、大手生保の日本生命や第一生命では、契約社員を無期雇用に切り替える動きも出てきておりますが、多くの地方の中小企業まで波及する状況にはないような気がします。

具体的な状況を把握する必要はありますが、上述の中高年フリーター273万人が生活保護予備軍の状況をみても明らかなように、また4割の企業が派遣を利用する目的がコスト削減であることを考えると、派遣の4割は将来性のない使い捨ての感覚を持たざるを得ない、生きがいややりがいを持って働いているという状況ではなく、その場しのぎの働き方であることが明らかです。資本主義社会の現実としての利益優先や競争の激しい中、戦々恐々とした職場で、更に希薄な人間関係やひどい場合は正社員から差別的に見られるような待遇など卑屈な思いを持ちながら派遣社員として働かれている人もいるかもしれません。このような背景の中、無業を選択する人が出てくることは必然であると思います。
またこのような状態にある方々が就労した場合でも、1個人として企業に対して、自身の都合やWLBなどその希望を伝えることすら容易ではないのではないでしょうか。特に無業状態が長ければ長い人ほどそうではないでしょうか。

また総務相統計局のH26年労働力調査では、10年前と逆転し、非自発的離職よりも自発的な離職(自己都合)が多く、またその離職理由の多くが、男女共「より良い条件の仕事を探すため」となっております。自己都合となっておりますが、これはブラック企業まではいかないまでも、表面上には表れない雇用条件や柔軟な働き方を許容できる状態にない雇用する側の問題も多くあるのではないでしょうか。このような問題によって、働くことを諦め、無業状態でいる人も多いのかもしれません。

この他、あえて無業を選択する理由に介護離職の問題もあります。政府は「新3本の矢(的)」のうちの1つに、年間10万人を超えている介護離職者をゼロにするとしていますが、明治安田生活福祉研究所と公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団で行った2014年「仕事と介護の両立と介護離職に関する調査」では、離職者の3分の2が制度を利用せず、5割強が介護開始から1年以内に離職しており、女性の3割が認定前に離職しております。この理由の多くが、「職場で感じた精神的苦労」がキッカケとなっているようです。またその後転職をしたとしても、平均年収は男性で4割減、女性では5割減となっております。その対象となるのは、主に中高年齢層であることからも、その後の就労もままならない状況であるのではないでしょうか。

また就労の有無は、富の蓄積の差により、格差の極に存在する無業者の方への働くことに対する本質の原因を解消していく支援の在り方も重視していかなければ、更なる格差社会を生じてしまいます。

これまで述べさせていただいたような方々の中には、体や生活の状況に合った柔軟な働き方が出来るWLBの確保された就労やゆるやかな就労条件があれば、このような状況に至らなかった方々も数多く存在したのではないでしょうか。

また会社(仕事)=社会=世の中のような風潮があるなかで、社会という枠を超え、無業であっても世の中で受け止める支援とそこから再度立ち上がれるという希望や継続したつながりを形成する場が必要であると考えます。このような新しい枠組みをもつ就労の場が、現在の雇用体制の枠組みに絶望している若者への希望にもつながると考えます。
またこのような状況にいる方々の声なき声を拾い上げていく事で、公的支援体制の見直しや新しい時代の働き方のイノベーションの可能性があると考えております。

また決して働くことやお金を稼ぐということを軽視するものではありませんが、これまで多くの人達が働くという事に重きを置き過ぎてきたのではないでしょうか。このような社会が無業になった途端に孤立してしまうことや生きるか死ぬかの選択を余儀なくされるという現実や、これまでの男性社会や多くの専業主婦が行ってきた子育てや家事などが軽視されたり、無業である事で肩身の狭い思いをした人は多いのではないでしょうか。近年高齢者の自殺が増加している心理的要因も、このような働いていないということから自尊のこころを失い、自ら死を選択するという、高度経済成長期からのワークワーク型の働くことにあまりにも重きを置いた社会風潮の反映ではないでしょうか。

現代の若い女性の中にも専業主婦への憧れや子育てに専念したい人も沢山いると聞きます。そう言った人たちの多様な価値観を尊重できる寛容性のある社会を作っていかなければならないと思います。しかしながら、専業主婦や子育てに専念したい人の中にも、収入の問題で働かざるを得ないというのが現実の中、行政や企業側にも法的・制度的限界があるため、介護離職者の現状分析からも明らかなようにその恩恵を受けられない方や、WLBとは程遠い働き方をされている方が数多くいるのではないでしょうか。
子育てや介護をしながら働かれている同じような状況にある方でも一括りに出来ず、個人個人の考え方や置かれている状況は様々で多様性があり、今後はそれぞれに見合った多様な働き方を提供できる枠組みを新たに構築していかなければならないと考えます。

そして、働く意欲を失った孤立無業者はじめニート、介護離職者等本来国を支える世代の方々が、社会から離れ無業のまま孤立化していくのは、当人が何より辛く、また国民も国の財政面でも決して見過ごせる問題ではないと思います。

子育て支援対象世代も医療や介護同様、患者家族や介護をしている人に対しても、多くの方に共通する働き方の問題は、特定世代だけの問題ではありません。
世代で考える雇用は、企業の組織体制を考慮する上では必要ですが、これからの社会で行う就労支援は、数十年前とは変わり、世代関係なく働く側の多様なニーズに応えられる新たな枠組みの就労支援が必要となります。それはハローワークやその他様々な就労に関する支援があっても、上記で述べてきた方々が数多く存在していることから、既存のそうした中での様々な支援をもってしても、そこに限界が生じてきていることが考えられるからです。そして、現状の既存の雇用形態にあるような働き方に希望を持てない方々も数多く存在していると思います。

このように、現状の枠の中で働くことのできない方、WLBを保てず就労を諦めている方や、若年性認知症やうつ病、障害者ではないけど何かしら持病があり就労が決まらない方、潜在化している国家資格者で現在の働き方や社会背景では就労が困難な方、特にこれがしたいという事がなく公的な訓練も受けてなく漠然と就労を求めていたり諦めている方など、59歳以下の方々を対象とした、60歳以上の方々が原則対象となっているシルバー人材センターのようなそういった公的な組織に守られ、ワークワーク型ではない、その方々の声に基づく働き方で上記のような方々のWLBを重視した就労を提供する、新たなプラットホームとなる組織が必要ではないかと考えております。

これは、生活困窮者や一般的な就労に移行するような中間的就労支援の場ではなく、自分に合った働き方を求める方たちが創り出す働き方を可能とし、ここで生まれた働き方のスタイルが一般企業にも導入されるような、これからの働き方のひとつとして提案していけるようなものとしていきたいと考えております。

具体例として、介護者が離職せずとも、一旦このような組織に属し、その人の仕事を組織で請負い、介護の都合に合わせて、精神的な苦痛を排除しその仕事を継続できる環境を作り、また組織内でバックアップ体制をとり、介護の必要がなくなった時点で、容易に復職できるようにしてあげられるような、その他社会問題にも臨機応変に対応し、地域にも貢献できる公的な就労環境を構築することや、若年性認知症、うつ病や転職を繰り返したり等、働くことへの不安を抱えられていても、ワークシェアリングや相互で補い合い、安心して働ける就労の場の提供や就労活動を通じて、つながりをつくったり、対象者が自ら動き出せる場にできるものにしたいと考えております。

個人の存在が公的に担保されたこの組織に守られながら安心して就労が出来る環境を提供し、様々な経験を通じて、その請負先の会社への就労につながるも良し、潜在化している国家資格者の新しい働き方の創造及びWLBを重視する人の多様な働き方を提供して、学識者や行政からの視点ではなく、働く人たちが主体的となってその当事者が本音で語り、これからの就労を現場で働く人たちのその声を基に生み出し実現することで、現在のスタンダードとされている働き方から新たな働き方を創出し、その活動を孤立無業者へのアウトリーチにも活かし、ここなら出来るかもと思っていただけるような希望とまた働くことを通じて人とのつながりを創るプラットホーム(仮 WLB人材センター)となるような組織にしたいと考えております。

いまこれらの問題から目をそらすこともできる方が数多くいる事でしょう。しかしながら、希望もなく死も考えながら孤独に耐えている人も存在しています。それも遠い世界の話ではないのです。その多くは社会の風潮として、先の働くということをあまりにも重視し過ぎたことや現状の働き方の問題によって生じた歪み、それは家庭環境や子育てや教育にも多岐に亘って負の影響を及ぼしています。そしてこの問題は、子供たちの将来にも引き継がれようとしています。いま誰かが誠実に真摯に向き合って対処していかなければなりません。それにはわたしたち世代がこれらの問題に取り組む一歩をいま踏み出すことが大切です。
その活動が多くの人の意識に届き、共に行動していくことで大きな力となり、多様な生き方をはじめとした多様な働き方が選択できる本当の豊かな社会が形成できるのではないでしょうか。それが子供たちにも残せる未来の社会の姿ではないでしょうか。
ご一緒にこの活動ができる事を願っております。何卒ご助言ご支援をいただきたく宜しくお願い申し上げます。
     
               以上—–

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