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前回、
「やってきたか やらないか だけの差」

と題してブログを書いた。

ふと、自分自身のことを思ったのでここに記そう。

というのは、
もはや私が一般人からかけ離れた存在に
見られるかもしれないからだ。

極小ながらも店を営み、
田んぼで自給し、NPOを営み、
弱小といえども政党の共同代表という肩書きも一時期あったし、
文章を書き、トークをし、
メディアにも少々取り上げられているからには、
普通の人から見たら普通の人ではないかもしれない。

しかし、現に、未だに店に立って、
来店されるお客さんにご注文を頂き、
お酒を注ぎ、料理を作る。
カウンター越しに会話し、
対価として銭を貰う。

店が無い日に
田んぼで泥だらけになって疲れきって
夜ビール呑んで20時には寝てしまう。

このナリワイや日常がなければ私は暮らしていけない。
肩書きがいくつあっても
世の中の平均年収より小さい額だ。

そういう意味では自分自身は普通の人だと未だに思っている。

30歳まで会社員として
給料を貰うための仕事をこなすという意味では
人並みの仕事をしていたが、
会社から一歩出れば、
料理はできない、虫退治できない、新聞読めない、本読めない、
楽器弾けない、人前で話すの緊張する、
四季の花や作物を知らない、それらの名前もわからない、など
出来ない知らない尽くしだった。
それが大きなコンプレックスであった。

だが30歳で会社を辞め、
キャンプで旅し、料理し、虫にも慣れ、
土の上にも寝転がれるようになった。

勉強が本当に大嫌いで高校生になってからは
寝ない授業は無かった程なのに、
会社を辞めて世の中の仕組みを知りたくて、
試験や資格を求められるでもないのに、
人生で初めて自主的に、
図書館にいって経済や環境や農の本を読んで勉強した。
NHKの「映像の世紀」全巻を手に入れて
戦争の世紀である今の社会をどうにかしたいと思った。

店を創るとき、
中学生以来の大工道具を持ち出して来て、
試行錯誤しながら、
床も貼れた、扉も創れた、窓も入れられた、ペンキも塗れた、
と全て出来ないことを少しずつクリアして、
内装と外装をDIYした。

34歳でお店を出して、
初日に人生で初めて自分がつくったナリワイで
お金を貰うという経験をした。

自分の行為で対価を貰うというのは、
普通の人は誰もが恐いものだ。

こんな自分のしたことでお金が貰えるんだろうか、
と不安になって当然。

その大きなハードルをクリアできた。

様々な社会活動にも関わって、
司会を務めたりしながら人前で話すことにも慣れた。

ユナイテッドピープルの関根さんと、
アンチエイジングの鬼の勝田小百合さんに、
偶然に同時期にブログを書くことを勧められて文章を書き始め、
モノを書くことに慣れていった。

お陰で後に本を書くチャンスにもなった。

念願だった田んぼでの自給も実現した。
鍬も鎌も鋤きも、すべて使うのが初めてだった。
山で竹や木を切るのも初めてだった。
植えた大豆が芽を出しただけで驚いた。
稲が育ち収穫にいたるまでの段階や行程を初めて知った。
自分で育てた米の美味しさを知ってしまった。

ハーベスターやコンバインも操れるようになった。
籾が詰まって動かなくなっても、
分解して問題解決できるようになった。

地方住まいの方々と知り合い、お付き合いし、
問題にぶつかり、でも解決して、
いい関係性を構築できるようにもなった。

そうした経験を他の方にも追随してもらいたいと思っていたら、
様々なサポートや出会いの中でNPOを創設することもできた。

講演に呼ばれて話すことにも慣れていった。
日々お客さんとの会話を交わしているから、
いつのまにかコミュニケーションが上手になったかもしれない。

ギターは30歳で始めて未だに進歩ないが、
店で頻度高くお客さんに弾き語りする中で、
ヘタクソでも人前で堂々と唄える度胸がついた。

料理も下手だが11年もお客さんに提供していれば、
それなりになるものだ。

家の門や雨樋や漆喰づくりと漆喰塗りもできるようになった。

政党の代表などという大それた役もなんとか二年間務められた。

ご飯の研ぎ方も知らないし
炒め物でフライパンに油をひくことすら知らなかった
30歳のダメ男は、
15年かかって、ここまで来た。

やりたいのに、まだしてないことも多々ある。
まだまだ無知なこともたくさんある。
できないことを言い訳している自分もいる。

好きでない、必要がない、やりたくなという理由で、
未だできないことも多い。
でもそれは放っておこう。
やりたくないのだから。

エクセルも出来ないし、英語もダメだし、パソコン苦手だし、
複雑で面倒なことが全般に嫌い。
企画書はじめとした書類というやつも、
未だに苦手で何をどう書いていいかすらわからない。

でもそれらは、
得意な人や好きな人に任せればいい。
自分ができない役割や仕事を、
それが得意な人や好きな人や出来る人に届けているんだから、
それでいい。

今、生きることがラクなのは、
自分の役割と得意と好きと苦手と嫌いを自分で認識し、
やりたいことだけやり、
やりたくないことはやらないくていい、
やりたくない依頼は申し訳ないが丁寧にお断りする。

そういう肝が座ったからだ。

20代30代で三日坊主をたくさんしたかもしれない。

マラソンもトライアスロンもした。
バイクも乗った。
テニスもスキーもした。
エキストラでテレビやCMに出たこともある。
英語を話せるように何度もチャレンジしたがダメだった。
株をやろうとしたが自分に向かなかった。
ネットワークビジネスも自分に向かなかった。

それらの経験から
今は取捨選択ができる。

人と比べないで済む。

たらたらと自分のことばかり書いた。
皆さんにお伝えしたかったのは、
「やってきたか、やらなかったか」 だけの差であるから、
みなさんにもぜひ、

未来をすえて、
やりたくないことはやらないで欲しい。

未来をすえて、
やりたいことだけをやって欲しい。

やりたいことをやる勇気は捨てないで大事にして欲しい。
お金をもらうハードルを乗り越えて欲しい、慣れて欲しい。

急ぐ必要はない。
ちょっとずつ。ちょっとずつ。

私は会社を辞めたいと思い始め、
実際辞めるまで2年を要した。

辞めてから店を出すまで4年を要した。

お米を自給したいと思ってから実現するまで6年を要した。

そこからNPO化するまで2年を要した。

人前でギターで唄いたい、
という願望から現実まで25年を要した。

いつか本を書きたい、と思ってから10年、
店を出しての脱成長の軌跡を実際を綴る出版まで6年を要した。

だから急がないで、
たんたんとやりたいことだけをやり始めて欲しい。
血の滲むような努力をしてもいいが、
しなくても大丈夫。

一歩踏み出すだけの勇気があれば、
いつか好きなことは完遂すると信じて欲しい。

「やってきたか やらないか だけの差」

それは 「一歩」 あるき出すかだけの差かもしれない。

私は、
まだ踏み出せない
そうした人たちの背中を押せる存在でありたい。

踏み出せた人は、
次の誰かが踏み出すための後ろ姿になって欲しい。


–【 髙坂 勝 の トーク 出演情報 】–


■ 11/1(日)  土と平和の祭典

以下ふたつでトークに加わります。
• 暮らしの種まきエリア
  12:00~13:00
    ◎桃井貴子(気候ネットワーク)
    ◎吉田明子(FoE Japan)
    ◎古野誠(350.ORG)
    ◎長谷川平和(緑の党グリーンズジャパン)
    ◎髙坂勝・・・・司会

• 土と平和のステージ  14:30~15:10

    ◎林良樹(スマイルレボルーション/千葉県・鴨川市)
    ◎相原成行(相原農場/神奈川県・藤沢市)
    ◎神澤則夫(トージバ/千葉県・神崎町)
    ◎高坂勝(東京池袋/千葉・匝瑳市)


■ 11/4(水) 昼間 NTTさんにてトーク

■ 11/18(水) 13:00~ 月間 髙坂勝 
        テーマは 「 断食(ファスティング)、知ってますか? 」
https://www.facebook.com/events/1665497677067821/

■ 11/22(日) 13:30~17:00 第8回 脱成長ミーティング
    「協同組合の可能性と課題~成長がない時代に」


     講師:白井和宏さん
    
 http://qq1q.biz/nN3e

■ 11/29(日) 16:00~ 
   楽読の代表・平井ななえさんとトーク at お茶の水
https://www.facebook.com/events/972885949436682/

■ 1/11(祝/月) たまつき発・寺田本家酒蔵ツアー2016
    (当店にご来店経験あり、且つ、このツアー未経験者のみ)
http://kokucheese.com/event/index/253086/

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拙書 【減速して自由に生きる ダウンシフターズ】




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