先日、
匝瑳でお世話になっている
アルカディアの会の代表の青木栄作さんから
30キロのお米を頂いた。
本当にいつもありがたく頂き物ばかりである。
幸い、私達はお米を自給していて足りている。
考えた末、
池袋でホームレス支援をしている 「てのはし
」 さんに寄贈した。
以前から、たまに、恥ずかしいほどのほんの小額だが、
「てのはし」さんに 寄付金や防寒服を持って行ったりしている。
実は、東京プロジェクト
にお米を寄贈しようとも考えた。
1年前くらいだろうか、
東京プロジェクトを運営する大西さんと知り合いになった。
何かでいつか応援したいと頭の隅にあったのだ。
でも、池袋を拠点にナリワイをしているので、
「てのはし」さんにした。
昨日、お米をお渡しする場所に、
「てのはし」さんのスタッフと一緒に、
なんと東京プロジェクトの大西さんも来て、びっくり!
事務所を同じにしているらしく、
私の顔を見に来てくれたという。
実は「てほはし」か「東京プロジェクト」の
どちらに寄贈するか迷ったんだ、
と言うと、
必要なところでこのお米を使わしてもらうから大丈夫ですよ、
と言ってくれた。
なんという不思議と嬉しさかな。(^^)
~ ~ ~ ~
今朝、
北野武が著した 『新しい道徳』 の新聞広告をみた。
羅列された項目で、
共感する部分を青地で抜いてみた。
◎大人が子どもに教える夢の中身は
結局の所「成功して金持ち」
ね、この嫌な画一的な感じ。
これからの時代は「非画一的」です。
◎現実社会では非道徳的なヤツが成功している
そして時代を変えるのは常にマイノリティー。
だってマジョリティーは
既得権益享受者で問題意識を持つ事なく現状維持を望む。
だからマイノリティーが世界を変えて来たんだ。
◎誰もが田んぼを作っていた時代、道徳には根拠があった
昔、彼の監督作品「座頭市」を見たとき、
百姓へのリスペクト感を感じた。
田んぼで耕す百姓が泥の中で唄を唄い踊っているシーンがあった。
それがとっても楽しそうだった。
北野武は、わかっている人なんだな~、と
感じたことを思い出した。
みなさんもグランヂングしたかったら、
田んぼで米を作りましょうよ!
◎権力者は自分の都合で道徳を作る。
都合が悪ければ道徳も変える
◎勤勉や勤労道徳的なのは誰のためか
◎自分たちの道徳を押し付けようとするから戦争になる
上の三つは、今の権力者と経済界へのイヤミでしょう。
まさに真実です。
まさに同感です。
世間で言うところの「勤勉」「勤労」なんてやめようぜ。
ダウンシフトさ、
だから、GDPを下げたろうぜ、
例えば田んぼで米つくってさ!
◎寿命がいくら延びても、メメント・モリは道徳の土台だ
メメント・モリとは、ラテン語で、
「自分が必ず死ぬことを忘れるな」 という言葉。
昨日書いたブログ
に通ずる。
◎日本が豊かな暮らしを享受しているのは
どこかの国の貧困のお陰
さすが、わかってるんだね~、世界の北野武!
今日、これから書くことに共通している。
~ ~ ~ ~
一昨日、店に手書きのお手紙が届いた。
貧困問題について関心がある知り合いの方からだった。
脱成長を訴える私に疑問や提案が書かれていた。
さっそくお返事を書いた。
せっかく長文を書いたので、
その一部をこちらのブログにも。
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● 脱成長の基幹産業は何ですか?
手紙主のご意見:
介護/福祉/医療/自然エネ/農業/林業/水産業/アニメ等
成長なしではフリーター/引き蘢りの正規雇用はムリ。1~2%成長必要
私も基幹産業が上記のものというのは基本的に同感です。
成長は必要ありません。
脱成長と逆説的に聞こえるかもしれませんが、
企業の存在も大切です。
製造業、サービス業、輸出業なども今まで通り、
企業活動が盛んなるのは問題ないでしょう。
そういう意味でGDPの主な部分は、
今までもこれからも変わりません。
ただ、
成長可能性のある産業と成長に不向きな産業があるということは
認識せねばなりません。
今後重要視してゆくべき産業だと思う、
フード(第一次産業)/自然エネルギー/
医療/介護/福祉/教育/文化などは、
GDPに即さない産業です
(文化の輸出はGDP効果あると思いますが、
韓流のように栄枯盛衰や流行で左右されるので、
安定にはならないでしょう)。
しかしこれからのこの国にとって一番再構築されねばならない産業。
医療は未病(いわゆるワクチンなどでない)を中心にすえれば、
医療費は下がるし人々は健康になりますが、GDPは下がります。
GDPを上げたければ、今まで通り、
如何わしい予防ワクチンや過剰手術、過剰延命治療、
薬の乱発につながります。
私は前者がいいと思うのです。
GDPは小さくなろうとも人々が健康になる医療です。
介護はいま、小ささが地域に即して注目集めています。
小規模多機能型居宅介護など。訪問も通いも宿泊もデイケアも、
病院への引き継ぎも、病院から地域への引き継ぎもします。
空家などを利用し、20人くらいの利用者とスタッフが7人くらい。
なので、働く人も出入りする当事者も関係密度が高くなり、
満足度が高まります。
藤沢モデルは注目集めていますね。とくに「あおいケア」。
加藤さんという30代の方が地域に根付いた活動をして
藤沢地域を、神奈川県域を、そして全国を引っ張っています。
当然、小規模は空家などを利用し、
たくさんの受け入れもできませんからGDPは小さい。
特養施設のような大きな施設を要しないので
ゼネコンにも還元がない。
GDPは小さく、
地域包括にシフトが進めばむしろマイナスかもしれないが、
そういう小ささこそが向かうべき人間サイズ及び地域サイズの道です。
農業は巨大化しても日本では儲かりません。
例えばお米。生産費用は60キロ15000円。
それなのに、JAの買い取り価格は今年10000円で
補助金が付いたって12000円程度。
効率化したってたかが知れています。
自分で農をすれば自ずそうしたことがとわかります。
アメリカからは60キロ6000円で輸入されます。
ベトナムからは3000円です。
農業で成長などというのは、一部を除き無理なのです。
地域に循環する農業であれば産業として充分可能です。
フードマイレージも下がり、石油依存度も減り、農薬化学肥料も減り、
消費者と生産者がつながる。
もしくは地域のお米屋さんなど小さなナリワイが媒介する。
これこそ安心の経済で、地域に雇用は安定します。
ですが、GDPは小さくなりますね。
自然エネルギーもそうです。
地域で雇用をうみ、循環させれば、安心の経済になりますが、
GDPは小さくなります。
これだけ日銀が緩和して、お金を市場にばらまいて、
アベ氏は経団連に賃上げと雇用創出をお願いして、
成長は可能だと豪語するそのアベノミクスで、
本当に成長しましたか?
給料が上がりましたか?
法人税を下げて働く人にその分が巡っていますか?
先月先々月も景気短観で下方修正です。
今のグローバル経済では、
人件費を安くしないと利益は上がらない構造です。
だから成長を目指す程、
雇用や労働待遇や賃金は減ります。
非正規が増えます。
先にも述べましたが、1~2%の成長が目指せば、
もっと更に貧困が生まれる構造です。
それは世界の国々の例を見ても明らかです。
「日本でいちばん大切にしたい会社」シリーズの本はご存知ですか?
大中小企業7000社を調べた法政の坂本教授の本です。
バブル後も増収増益している企業の特徴は、
拡大再生産も目的にしていないことだそうです。
そうした企業の共通した優先順位は、
1が従業員とその家族、2が取引先とその家族、
3が顧客、4が地域社会、5が株主。
利益拡大を目指さないから働く人や地域に還元して、
結果、増収増益しているのです。
現在の経団連に属する企業群とはまるで逆です。
成長が最優先目的でない、という経済をつくる必要があります。
利益の多くは働く人やその家族や関係者や地域や社会に還元する。
そうしたことを目指せば、
GDPが大きかろうと小さかろうと関係ありません。
脱成長とは、経済成長至上主義をやめよう、ということで、
成長を否定しているわけではありません。
人口が減る中で、経済が縮小しても、
人口減のスピードより、経済縮小のスピードが緩やかなら、
結果的には、一人当たりの経済規模は、変わらない、
もしくは大きくなる場合もあるでしょう。
要は、利益やGDP大きくしなければ人に回せない、
という成長神話でなく、
利益は人や地域や社会に還元するという選択を
広げてゆくことが脱成長であって、
結果として経済やGDPが大きくなるか小さくなるかなどは、
付随的な部分でしかありません。
いかに誰もが大切にされるか、
という経済を目指すかが、脱成長の概念です。
● 農的暮らし=余裕ある正社員の娯楽
はっきり言わせてもらいます、それは間違いです。
私の NPO SOSA PROJECT に参加する人たちは、
余裕のある中間所得層の方々もおりますが、
無職、フリーター、ニート、引き蘢り、うつ、生活困窮者、生活保護者、
不登校になった子どもたち、ハケン、性的マイノリティー、障がい者、
奨学金支払い困窮者、パワハラ被害者など、
何かしらの問題を抱えている方のほうが多い。
来月の家賃を払うお金もないから、
支払いの最終期限までに移住できますか?という突然の相談をうけ、
今までに3組を受け入れました。
当店やNPOを通じて農的暮らしに移行する人たちは、
そういう人たちが担っている部分もあるんです。
そういう人たちが更に地方に移住し、
収入は少なくとも、
地域興しや地域問題解決を担っています。
もちろん、中流層の方もたくさんいますが、
そうした人たちすら、私のNPOに参加する人たちは、
格差社会や環境問題に意識をもち、
自らも企業のストレスでいつ自分がうつや解雇になるか不安な中で、
生きる知恵を得るために来ているのです。
余裕のある正社員の娯楽、という言葉には違和感を感じます。
● みなが正社員になり貧困がなくなってから
脱成長を持ち出さなきゃダメ
正社員になりたい人が正社員になれることが必要です。
今回の派遣法改正は、その道を更に閉ざした悪法です。
正社員を望む人が正社員になれるようにすることは当然です。
しかし、正社員を望まない人も居ます。
問題は、同一労働同一賃金でないことです。
日本では正社員に対して非正規は確か48%の賃金しかありません。
成熟国家として進んでいる国や欧州では軒並み90%以上です。
先にも述べましたように、経済成長を目指すから貧困が産まれます。
ですから成長至上主義から脱却して、
貧困をなくす経済をつくることが目指すことであり、
憲法25条にも明記されていますね。
成長によるトリクルダウンは、もう絶対にありえないのですから。
脱成長は、
金持ちになったから、もう成長しなくていいでしょ、
なんて呑気な考えと勘違いされていないですか?
貧困をなくすための脱成長です。
反貧困の湯浅誠さんも、
貧困をなくすために脱成長を目指す政党が必要だ、と言明しています。
日本国際ボランティアセンターの35周年シンポに先日呼んで頂き、
お話させてもらう機会を頂きました。
この組織は、世界の貧困をなくす活動をしていて、
紛争や飢餓地域に循環する農業や市場をつくり、
援助がなくても経済や食べ物が巡るようにする活動をしています。
その組織が、「脱成長こそ貧困をなくす道だ」
というシンポを開いているのです。
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他にも、たくさんの文章でお手紙をお返ししたのですが、
他の部分は個人情報も含まれるため、
以上にします。
長文、お読み下さり、ありがとうございます。
追伸:
おかしいよね。
子どもの貧困対策を国が寄付を集めてやるって!
政府の経済政策で子どもの貧困の連鎖を産んでいるのに!
消費税上げるんだったら、
こういうことに使えよ。
福祉に使う目的税って約束した政府なのに、
実際は経済成長政策にほとんど使ったなんて
まったくの詐欺だぜ!
大企業や金持ちには減税して、
貧しい人は寄付で賄え、ですか、
どこかの国の権力者よ!(怒)
それがアンタの道徳ってヤツか!
「子どもの貧困対策 寄付金募り教育支援拡充を」
(NHKニュース 2015.10.19)
政府は子どもの貧困対策を強化するため、
地方自治体や経済界などの代表による会合を開き、
新たに創設した基金への寄付を広く呼びかけ、
集まった寄付金を経済的に厳しい状況にある家庭の子どもに対する
教育支援の拡充などに充てることを確認しました。
続きを読む
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151019/k10010275371000.html
さぁ、明日は、↓
■ 10/24(土)~25(日)
匝瑳市ちきゅうのいえ ゆるゆる宴 vol.2
http://sosaproject.jp.net/archives/1977
https://www.facebook.com/events/413383535499872/
(アースバックハウス作りや大酒樽露天風呂など、
ゆるゆるとやります)
今、
寺田本家のデッカい酒樽に9時間かけて水を入れています。
今夜には火を入れて9時間かけて露天風呂にしま~す!!!
——【 髙坂 勝 の トーク 出演情報 】———
■ 11/1(日) 土と平和の祭典
以下ふたつでトークに加わります。
• 暮らしの種まきエリア
12:00~13:00
• 土と平和のステージ 14:30~15:10
◎林良樹さん(スマイルレボルーション/千葉県・鴨川市)
◎相原成行(相原農場/神奈川県・藤沢市)
◎神澤則夫(トージバ/千葉県・神崎町)
◎高坂勝(たまにはTSUKIでも眺めましょ・SOSA Project/千葉・匝瑳市)
■ 11/4(水) 昼間 NTTさんにてトーク
■ 11/22(日) 13:30~17:00 第8回 脱成長ミーティング
「協同組合の可能性と課題~成長がない時代に」
講師:白井和宏さん
http://qq1q.biz/nN3e
■ 11/29(日) 16:00~ 楽読の代表・平井ななえさんとトーク at お茶の水
https://www.facebook.com/events/972885949436682/
■ 1/11(祝/月) たまつき発・寺田本家酒蔵ツアー2016
(当店にご来店経験あり、且つ、このツアー未経験者のみ)
http://kokucheese.com/event/index/253086/
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拙書 【減速して自由に生きる ダウンシフターズ】
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